小田原ニュース150328

「縄張り意識強くて…」 引き取り手なく10年、小田原城址公園のサル

「縄張り意識強くて…」 引き取り手なく10年、小田原城址公園のサル

小田原城の天守閣がそびえる小田原城址公園(小田原市城内)内で飼育されているサル。同公園に動物園があった時代の名残をとどめ、子どもたちや観光客の目を和ませている一方で、市は動物園撤去のためサルの引き取り手を探してきたが、見つからないまま10年になろうとしている。

小田原城の二の丸から本丸へ常盤木門を通ると、直径約5メートル、高さ約7メートルの円柱形のおりが見える。おりには6~30歳ほどのニホンザル9頭が飼育されている。

本丸広場にあった「小田原動物園」はこども文化博覧会が開かれた1950年に開園。人気者だったアジアゾウの「ウメ子」をはじめ、ライオンやヒグマ、キジなどさまざまな動物がいて、遠足などで訪れる子どもたちでにぎわった。

しかし動物園は、小田原城跡の国史跡指定(59年)後、「史跡にふさわしくない」とする国からの指摘のほか、獣舎の老朽化もあって、維持管理が難しくなった。

市は2005年度から「本丸広場環境整備事業」で本格的な撤去に着手。動物は日本動物園水族館協会を通じて移転先を探し、全国の動物園や公園に順次引き取ってもらった。ウメ子が人間でいえば100歳を超える推定62歳で大往生した09年9月以降、ニホンザルのみが残っている。

市観光課は引き取り手が見つからない理由について「サルは、縄張り意識が強く、既にサルがいる施設では移転先のサルとけんかしてしまう。一つの群れでの新規移転が前提になる」と条件面での難しさを挙げる。

(後略)

市は餌代だけでも年間約60万円を支出しているそうです。記事中にもある通り、かつて小田原城址公園内の本丸広場において「小田原動物園」は大変なにぎわいを見せていました。広く愛されたアジアゾウの他界で、動物園の終焉、一時代の終わりを感じた市民も多く、9頭のサルがその名残をかすかに留めるのみとなっています。

小田原・南足柄・中井・大井・松田・山北・開成・箱根・真鶴・湯河原、小田原市を中心とする神奈川県西部地域の潜在能力(歴史・文化といった地域性)は計り知れません。
その豊かな地域性がより生かされる場として、コワーキング小田原プロジェクトを進めてまいりたいと思います。

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