小田原ニュース150513

QZSS初号機「みちびき」でサブメートル級の高精度測位、箱根町で周遊バスのGPS補完実験

QZSS初号機「みちびき」でサブメートル級の高精度測位、箱根町で周遊バスのGPS補完実験

2010年9月に打ち上げられた準天頂衛星(QZSS)初号機の「みちびき」。GPS衛星の電波を補完・補強するQZSSは2018年から4機体制での運用が予定されており、それに向けてみちびきを利用した実証実験がさまざまな研究機関や企業によって各地で行われている。そんな中、QZSSの設計や運用、利用拡大を請け負う準天頂衛星システムサービス株式会社(代表企業は日本電気株式会社)が、神奈川県足柄郡箱根町にて3月6日に実証実験を行った(3月13日にも実施予定)。今回はこの実証実験のレポートをお伝えする。

(後略)

準天頂衛星(quasi-zenith satellites)とは、準天頂軌道(特定の一地域の上空に長時間とどまる軌道)をとる人工衛星のことです。通常は複数の準天頂衛星が見かけの同一軌道上を周回する一組の「衛星コンステレーション」を構成して運用します。
衛星コンステレーションとは、特定の方式に基づく多数個の人工衛星の一群・システムを指す言葉で、個々の衛星はシステム設計された軌道に投入され、協調した動作を行わせ、その(システムの)目的を果たします。準天頂衛星が高緯度上空で滞空できるのは公転周期の内の一部にすぎないために、3機程度の衛星を軌道上に配置しておき、常に1機が上空に現れるようにする必要があります。

準天頂衛星初号機みちびき(QZS-1)は、2017年から2019年までに衛星3基が追加で打ち上げられて、4基体制でシステム運用されることが決定しており、今後さらに3基増やして7基体制とする構想もあるそうです。
当初は、測位に加えて通信・放送を複合させたサービスを提供しようと、2002年に官民で衛星を開発・運用することが計画されました。しかし、コストパフォーマンスの問題を解決できず、2006年3月に通信と放送の事業化断念が宣言されました。その一方で、安全保障の観点から日本独自に衛星測位の技術を取得しておく重要性が一部から叫ばれ、準天頂衛星は全額を国費で打ち上げる測位衛星としての位置づけに変わりました。

小田原・南足柄・中井・大井・松田・山北・開成・箱根・真鶴・湯河原、小田原市を中心とする神奈川県西部地域の潜在能力(歴史・文化といった地域性)は計り知れません。
その豊かな地域性がより生かされる場として、コワーキング小田原プロジェクトを進めてまいりたいと思います。

関連記事

return top