小田原ニュース150518

小田原のかまぼこ老舗、私的整理で再建へ 民事再生申請を取り下げ

小田原のかまぼこ老舗、私的整理で再建へ 民事再生申請を取り下げ

神奈川県小田原市のかまぼこ製造・販売の老舗「美濃屋吉兵衛商店」が、1月に横浜地裁小田原支部に出した民事再生法適用の申請を取り下げたことが12日、代理人弁護士への取材で分かった。取り下げは9日付。

弁護士や帝国データバンクによると、債権者である金融機関との話し合いで、私的整理の一種である「事業再生ADR」を利用し、経営再建を目指すことになった。再生法適用申請時の負債総額は約30億円で、申請後も営業は続けていた。

事業再生ADRは、裁判外紛争解決手続(Alternative Dispute Resolution)の略で、2007年に制度化されました。経営が行き詰まった企業の事業再生を目指すにあたり、会社更生法や民事再生法(和議)、破産法などといった裁判所の法的な手続きによる紛争解決手段を使わずに、当事者間の話し合いで解決する手続きのことです。

1月末に「小田原の老舗かまぼこ店が破産」という見出しで全国的なニュースとなりました。
確かに450年の社歴(業歴)があり、事業内容の筆頭にも「魚肉ねり製品製造業(≒かまぼこ製造)」と掲げられていますが、自社による(かまぼこの)製造販売の歴史は(450年に対して)非常に浅く、「みのや(=株式会社美濃屋吉兵衛商店)」といえば、最も古くから愛されている名物は「塩から」です。

「元祖糀入いかの塩から」の誕生エピソードは大変ユニークです。およそ350年前、大酒飲みであった当時の店主たる五代目吉兵衛が、漁師が困るほど大漁であったいかを、ほろ酔い気分で全て買い上げ、こま切れにして塩漬けにしたところ、塩からくて食べられないものになってしまったが、半ばヤケとなり大量の糀を入れて放っておくと、見事に発酵して独得の塩からが生まれ、客が客を呼んで大繁盛した、という逸話があります。

小田原・南足柄・中井・大井・松田・山北・開成・箱根・真鶴・湯河原、小田原市を中心とする神奈川県西部地域の潜在能力(歴史・文化といった地域性)は計り知れません。
その豊かな地域性がより生かされる場として、コワーキング小田原プロジェクトを進めてまいりたいと思います。

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