コワーキングニュース140918

コワーキングスペースを拠点に、音のワークショップを行う武蔵大生ら

武蔵大生ら、横須賀で街の音取材-「音風景」をデータブック化

武蔵大学の学生・教官ら15人が9月8日・9日、横須賀・汐入でゼミ合宿を行い、地元商店街や無人島・猿島などで「街の音風景(サウンドスケープ)」を記録するフィールドワークを行った。

フィールドワークの拠点には、同市内初のコワーキングスペースを活用。学生たちは4つのチームに分かれて「街の音」調査へ。年間を通じて「消えてしまいそうな街の音」をテーマに活動しており、音のレッドデータブックを作成しようというもの。

自然・環境班は、東京湾の無人島・猿島へ渡って要塞跡など歴史遺産が残る島内をまわり、波や風の音、トンネルや洞窟、弾薬庫跡などで音を収録。家庭・生活班は、昭和レトロな雰囲気が濃厚な飲食店街・若松マーケットで、創業50年超のスナック・バーの女性経営者を訪ね、音の思い出、生活音、氷業店で氷作りの音なども集めた。

公共空間・産業班は戦前から続く上町商店街へ。大正期創業の祭道具店、洋品店、三味線店、和菓子店、江戸末期から続く表具店などで熟練職人をインタビュー。手動ミシン、職人が使う道具音などを取材した。

メディア班は、本町どぶ通りを舞台にした映画「豚と軍艦」(1961年・今村昌平監督作品)を取り上げ、映画の中の音と現在の音との比較調査に取り組んだ。米兵向けスーベニア店で古い写真を見ながら当時のエピソードを取材。スカジャン店では数少なくなった手縫い刺繍ミシンの音などを収録。少子高齢化・人口減少が進む中で、「この音はいつなくなってしまうかもしれない」という商店街関係者からの声も。

2日目には、音のプレゼン発表会を実施。上町を取材した学生は「商店街約160軒のうち、十数軒が50年~100年以上の歴史を持つ職人の店があり驚いた。昔堅気の職人さんの心意気や暖かさも伝わった。資料館などで昔の写真とともに音の記録も展示できたら面白いのでは」と話す。

音レクチャーを担当したラジオディレクターは、「昔から伝わる音には街の記憶が宿っている。第3者的な目線によって街の特徴的な音がピックアップできる」と指摘する。ゼミ担当講師は「10月頃には今回の音調査の中間成果を関係者に提出したい。サウンドスケープという手法で街を再発見することで、商店街の活性化に少しでもつながれば」と話している。

サウンドスケープとは、「音風景」・「音景」などと訳される概念で、「風景には音が欠かせない」という考え方です。ランドスケープ(景観を構成する諸要素)のランドをサウンドに置き換えた言葉です。

サウンドスケープの調査・収集で街の再発見をするという手法が興味深いですね。その拠点にコワーキングスペースが使われたとのことです。

こちらを参考に、コワーキングスペース発で、周辺地域のサウンドスケープ調査によって活性化を図る、といった企画を催すのはいかがでしょうか。

小田原で新設するコワーキング事業も、多くの方々と連携して、皆様にとって有用なものでありたいです。

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