コワーキングニュース150604

東京・日野市、起業支援施設を新設-技術者と大学の連携促進、産業空洞化に歯止め

東京・日野市、起業支援施設を新設-技術者と大学の連携促進、産業空洞化に歯止め

東京都日野市は産業立地や地域経済の活性化のため、同市初となるインキュベーション施設を設ける。10月をめどに開設予定で、個室オフィス10室や一室に複数企業が入居するコワーキングスペースなどを整備する。日野市は2014年3月に、雪印メグミルク日野工場が撤退。20年までに日野自動車が本社工場を閉鎖する予定になっている。産業空洞化を防ぐためにも起業家を呼び込み地域経済の振興を図る。

開設するインキュベーション施設は、JR中央線豊田駅から徒歩4分の距離で、11階建てマンションの1階部分を利用する。敷地面積は800平方メートル。オフィス空間のほか、ラウンジやイベントスペースを設け、入居者同士の交流を促す設計にした。また商品の市場ニーズを確かめるために、実店舗空間「チャレンジショップ」を2店舗用意。日野市は「実際に商品を販売して市場の感触を知ることが重要」(産業振興課)と説明する。中小企業診断士などの専門家による創業相談や商談会、経営セミナーなども開催する予定だ。

13年の工業統計調査によると、日野市の製品出荷額等は前年比8.1%減の7041億円。製造業事業者数は「08年のピーク時から約30%減少している」(同)という。ただ「市内には大手企業出身の技術を持った人が多く起業している」(同)と指摘する。

日野市も首都大学東京やGEヘルスケア・ジャパンなどと提携協定を結び、産学官連携に力を入れている。インキュベーション施設の開設により、起業家と市内研究開発型の大手企業や大学との交流を活性化させて、成長分野の医療・介護機器などの産業クラスターの形成を目指す。

大規模工場の撤退・閉鎖による産業空洞化に対する、インキュベーション施設の開設や産学官連携の推進といった、産業クラスター政策についての話題です。

クラスターは、「群れ」や「(ぶどうなどの)房」を意味する英語(cluster)です。産業クラスターは、新事業が次々と生み出されるような事業環境を整備することにより、競争優位を持つ産業が核となって広域的な産業集積が進む状態を指します。代表例としては米国のシリコンバレーが最も顕著です。
国によるクラスター形成に向けた取り組みとしては、2001年より開始した経済産業省の「産業クラスター計画」と、文部科学省の「知的クラスター創成事業」があげられます。

小田原で取り組むコワーキング事業=コダワラ(コワーキング小田原・コワーキングスペースオダワラ)も、多くの方々と連携して、皆様にとって有用なものでありたいです。

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