地方創生って騒ぐけど いいアイデアはなかなか出ませんよ(下)
長野県富士見町 町長(元NEC顧問) 小林一彦
(前略)
テレワークの推進は地方創生の切り札になる
奥田 町長になられて、生活は大きく変わったのでしょうね。でも、やっておられることは、NECの時代とあまり変わらないような感じですが……。
小林 延長戦ですね。考え方とか、生きがいとか。ただ、NECでは何かと競争でしたから、時間との勝負ってあるじゃないですか。こっちは、時間的な余裕があるんですよ。
奥田 富士見町では、これまでの町長がだいたい二期で交代しているということでした。ということは?
小林 残りはだいたい3年です。
奥田 その3年でどのようなことに取り組みますか。
小林 やりたいのは、テレワークオフィスタウンの実現です。今は国が地方創生っていっているけど、なかなか画期的なアイデアはなかったと思いますよ。地方に住んだとしても、都会と同じ収入が実現されない限り、人は来ないですよね。若者は、雇用とお金のあるところに行きますから。
奥田 富士見町は、子育てのために都心から転入してくる人も多いということでしたが。
小林 心の豊かさも大事ですが、それだけでは地方創生は実現できない。子どもが大人になると、より多くの収入が得られる都会へ出て行ってしまいます。けれども、テレワークは、それを破る。都会の人が、都会の給料で、ここで仕事をしていても、高速ネットワークがあるので効率は落ちない。むしろ上がる。そのための制度を整えて、設備も準備しています。
奥田 どのような設備になりますか。
小林 空き家を改築したホームオフィスと、東京の大学の研修用設備だったものをコワーキングスペースを備えたサテライトオフィスにして数社を受け入れます。2015年3月に投資して、急いでつくれば夏か秋の初めくらいにスタートできるのではないかと。オフィスになる施設ですが、1年間は無料で提供します。
(後略)
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地方創生にテレワークの推進が有効である、という話をされています。画期的なアイデアが出ないのはなぜか、どうしてテレワークが効果的なのか、シンプルに述べておられて非常に感心しました。
富士見町(ふじみまち)は、長野県中部にある諏訪郡の町で、人口は約1万5千人です。
小田原で新設するコワーキング事業も、多くの方々と連携して、皆様にとって有用なものでありたいです。